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大久保むかし語り その1
―――左巻き地蔵―――
辻本たつや
大窪 光触寺門前
昔のことです。
細い急な山道が岩岡方面に通じ、あまり人も通らず、きつねやたぬきがたくさんいました。ある日、大窪村の人が山へ登りました。ちょうど、山の下に大きい池(村のかんがい用水池)がありました。村の人が池のほうを見ると、突然池の中から3m以上もある大蛇が現れ襲いかかってきました。村の人が逃げても逃げても追いかけてきます。力尽きた村人は観念しました。そのときです、地蔵尊が出現し村人と大蛇の間に立たれました。大蛇はじきに地蔵尊に巻きつきました。村人はそのすきに逃げて助かったといいます。この話しを聞いた村の人たちは「そのようなお地蔵さんを放っておいては申し訳ない」と池をさらえたところ、立派な地蔵菩薩の石像が見つかりました。石像の胸、腹部に大蛇が左巻きした痕がくっきりと残っていました。
村人はこれを左巻き地蔵とよび、横山に祀ったといいます。それ以来この付近を『左巻き』と称しました。
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